2026秋の研究会報告 

10月3日(土)交流センターで秋の研究会を行いました。
猛暑、地震、台風に続く連日の雨、ところが、この日だけは久しぶりに良く晴れて富士山を眺めることができました。
こんな貴重な日差しに恵まれたお休みの日に研究会では…と、主催者としては少々申し訳ない気分でした。働いて、働いて、働いて…なんて私は決して思いませんので!
でも、子どもたちの学習、教材の話になると皆さん自ずと熱が入ってしまい、充実した研究会となりました。貴重なお休みの一日を、ありがとうございました。

●事例ⅡのAさん、成長しましたね! 5月のミニ研究会で見た時よりもずいぶん落ち着き、見本合わせは横並べ2対2(見本2、選択項2なので「同じ」だけで答を出せる・余りが無い)から縦並べ1対2(見本1、選択項2なので「同じ」と「違う」がある)へとずいぶん進化しました!ものの見方や整理の仕方をAさんは自分で考えながら変化させてきたのではないでしょうか。

●縦に置くか横に置くか、目の使い方や空間の捉え方を基に今まで何度も議論してきました。これまでの私の乏しい?経験からは、見比べて同じ・違う、を判断する課題では、縦に並べたほうがわかりやすく鏡文字も起こりにくかったように思います。日本語が基本縦書きであることと関係あるのかとも思いましたが、今ではこの文章も横書き、ラインもメールも横書きです。昨今、縦書きの文章はほとんど読まないという人が3割もいる…という、ある調査結果が出されたことには驚かされましたが、今後はどうなっていくのでしょうか。

●Aさんは数や文字の学習でカードやタイルを持つと、まずいったん口元に持っていき、それから自分の思うところへとカードを置きます。先生から渡されたカードを自分の口元で一回リセットし、自分の物として自分で考えたところへ置く。1つのカードを、先生から受け取ったカードから自分で操作するカードへと変化させたように思われました。

●Aさんがカードを重ねて置くようになったことにも必ず意味があります。実物と文字を結び付けられるよう先生が教材を工夫して、Aさんはそれをどのように受けとめて考えていくのか、これからが楽しみです!

●事例ⅠのFくん
足し算を口ずさむように言っていたFくんが、タイルを見て触って重さを感じ取って数を受け止め、少しずつ文章問題を立式するようになっていきました。
話し言葉は出ているけれど思うように使いこなせていなかっただろうFくんが、ものを操作し単語カードで文章を構成し、徐々に言葉を紡ぎ出していくようになります。文字はただの文字列・線の連なりではなくなり、生きたものになっていきます。
世の中に言葉が溢れ、SNSなどには見る/聞くに堪えられないような言葉が氾濫する中で、Fくんが紡ぎ出す素朴な「ことば」の重みは、それがどんなに大切なものかを教えてくれます。寝たきりの重いお子さんが、わずかな表情の変化や体の動きで様々なことを語りかけてくれるのと同じように。

●「学習の3つの段階と教材」について
・中島昭美先生『人間行動の成りたち』、進一鷹先生の理論に沿った学習の枠組み
・教材例(実際に使われている教材の写真)
・実践事例
この3つをセットにしたものをホームページに掲載し広く共有していくことを企画しています。このことには今回の研究会やアンケート等で様々なご意見をいただきました。それらを参考にして取りまとめていきたいと思います。
以前は、このようなことをすると教材が独り歩きしてしまい子どもの姿が見えなくなると言われていました。でも、何もなかったら始まらない。教材が独り歩きしてしまったら捕まえて話し合いましょう。それすらなかったら話すきっかけもなくなってしまいます。行き詰らないように、独りよがりにならないように、とにかくみんなで子どもたちとの学習について話し合う、そのための研究会であると思っています。

※研究会の記録・アンケート集計を「研究会→研究会資料」のページに後日掲載いたします。

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                             (2026.10.11 間野 明美)