記録とアンケートを「研究会資料」のページに掲載しました。
【子どもたちの事例から、ことば、文字、数の基礎学習を考える】
●「文字」が大好きなAさんは、ホワイトボードに文章を書くことで先生と少しずつ気持ちを伝え合うようになります。カラフルな家族の絵に名前を書いた付箋を張り付けることが気に入ったBさんは文章構成板での学習を始めていきます。ことばは、他人と伝え合う手段であると同時に、自分に返すもの、行動を調整する役割もあることに気付かされます。 「教えるのではなく、子どもたちに気づいてもらうこと、子どもたちが自分で発見することの手伝いをするのが、教材、教員」進先生より
●Cさんは長さの学習から、タイルを使った数の学習へ 「長さ」をどのように知っていくのか?長さには始点と終点があって、比べるには基準が必要。Cさんは見えない基準線を自分で引いてものを並べていきます。先生も悩みながらタイルを使った数の学習に入っていきます。
●Dさんの数系列版、「3」ってなんだろう、「4」はこれくらい?「5以上」は「いっぱい!」とでも言いたいかのように、タイルをアーティスティックに並べていきます。
●Eさんは5までの数系列版で上から下へとタイルを並べていましたが、数系列版を斜めに提示すると、とまどいながらもじっと考えて下から上へ並べるようになりました。自分で基準を置き換えました。
●Tさんはしばらく考えてから傾斜した系列版で、下→上→真ん中、と3個のタイルを並べました。この並べ方に、「3」の棒タイル1本と、「1」のバラタイル3個と、数字の「3」と、ことばの「サン」が同じだと気づく瞬間、数字が記号になる瞬間が見て取れました。
●文字・ことば・数の学習事例を通して、感覚で捉えられる実感の世界と見たり触ったりできない関係で捉える世界とをつなげていくこと、それらを行ったり来たりすることの大切さについて考えさせられました。